おそらく志賀さんの作品5作目。
今回も読みやすく、スルスル頭に入ってくる作品でした!
「亡き夏目先生に捧ぐ」って冒頭に書いてあるから夏目漱石さんが没した時に書かれたのかな? 後で巻末の解説読みます。
あと最初タイトルが『亡き夏目先生に捧ぐ』だと思ってたせいで「佐々木って誰!?」と急に出てきた名字にかなり困惑したw
佐々木、思い返しても富ちゃんほど特別感情揺さぶられたってシーンは無いんだよなぁ。
皮膚の提供に名乗りを挙げようとするけど、これからを考えた末に言い出せないシーンは好きです!
自分が原因だって告白したいのに出来ないところを読んでるときは「罪悪感抱き続け、誠意を示そうという態度はあるんだな」程度の認識だった。けど、富ちゃんに負けず劣らず君も臆病じゃんと思い至ってしまい……。
あのとき真実を奥さん達に話してれば、あるいは移植に挙手出来ていれば、富ちゃんと佐々木の関係も何か変わってたのだろうか?
でも富ちゃんが自分を許せる子ではない気がするから、変わらずどころか悪化してた可能性のほうが高いか。
良いところも悪いところもあって、嫌いになれないキャラだった。
富ちゃんとお嬢さんが最期に幸せな人生だったと思えることを祈りたい。2人とも末永くハッピーであれ!!!
最後友人が語った独白は読んでて、確かに愛は2人で育もうとしなきゃ育たないよなぁ……となんだか切なくなった。
あと理由を分かってても指摘しないというか、佐々木のことをよく理解してるからこそ言葉で指摘できない友達の優しさなのか諦めなのか。
現状5分の3の確率で読み終えた時キャラクターの考えであるとか、物語に浸らせてくれる志賀さんの作品は満足率が高くて次々手を伸ばしたくなる。
行動が伴ってないのは許して欲しい。居住沼が多いもんで……。
本当にお手本にしたい文章と作品を書かれる御方だわ……かっこいい!!!!!
それはそれとして昭和53年10月に重版された新潮文庫の作品なので、読んでから『顔のない天才』開いたら文字がバカデカすぎて笑ったwww気持ち的には大活字本ぐらいのw